所長ブログ

2013年7月 9日 火曜日

流行について

最近思うのですが、「流行」は世間ではなくメディアが作り出すことが多いような気がいたします。

たしかに、一般の人々が集まった小さなコミュニティの中で始まった物事が、
より大きな枠へと広がっていくということも少なくありません。
特にインターネット技術の進歩した現在では、国内に限らず世界にも
情報が発信され、みんなが「いいね」と思ったことが「流行」になることも
あります。

しかし、世の中にはテレビや雑誌などのメディアによって作られた
「流行」というものがあると思うのです。

たとえば、流行の衣服について考えてみると、
最新号の雑誌でよく目にする「今年のはやりはコレ」というような文言とともに
紹介される洋服たちは、いったいどこからはやりだしたのでしょうか。
大概の読者はこのような雑誌で目にすることで「今年の流行」を知るのだと
思います。ニューヨークやパリなどの海外ではやっているから日本でも
取り入れようということはあるかもしれませんが、では海外ではその洋服が
どのようにしてはやったのでしょうか。

もちろん誰かがその服を着ていて、それを見た人々がかわいいだとか
カッコいいと判断して徐々にその服を着ている人々が多くなり、「流行」となって
いったのかもしれませんが、毎年、毎年それも季節ごとに、流行の服が
次々に現れることが偶然のようには思えません。

また、最近とある予備校講師のセリフが流行語になっていますが、
私の勝手な推測によれば、あのセリフだいぶ以前から予備校のCMに
使われていて、それほど注目されていない期間がありましたが、
突然他社のCMでもあのセリフが使われるようになり、注目され始めた
ような気がします。そのうち、バラエティ番組にも出演するようになり、
世間の人々は「あ、この人、はやってるんだな」と思うようになり、
あの名台詞も流行語となったのではないかと思います。

また、以前とある若手女優が異常にテレビドラマやCMに起用されて
いるなぁと思い、そんなにこの人は人気があるのかということを疑問に
思っていたことがありました。しかし、その裏にはプロダクションが
その女優のギャランティを激安にして売り込み、ドラマやCMに起用させ、
メディアへの露出を図っているという情報を目にしました。
それが事実かどうかは知りませんが、もしそうだとすれば、世間が望んで
いるかどうかは関係なく、メディアへの露出を増やすことで「この女優は
人気があるんだ、はやっているんだ」ということを世間に植え付けることが
できます。私はこの戦略にとても感心しました。

私はメディアによって作られた流行が悪いと言っているわけでは
ありませんが、本当にその流行が良いと思うのか、それが本当に面白いのか
ということを考えることが必要だと思いました。人に合わせるというのは日本人
の謙虚な心遣いだと思いますが、受け身になりすぎて本質を見過ごしてしまう
ことは避けたいと感じます。

ただ、少なからず、そういった「流行」には世間の人々に受け入れられるに
足りるほどのひきつける力があるのは確かだとは思いますが。




司法書士法人I'll事務員
utsuno



投稿者 司法書士法人I'll